日本では、両親に感謝を伝える日として「母の日」と「父の日」が別々に設けられています。韓国にも、両親に感謝を
伝える日「어버이 날(オボイナル/父母の日)」があります。
大切な両親に感謝の気持ちを伝えるのは、当たり前のこと。日本では一年に一度、普段は照れくさくて伝えることが難
しい感謝の言葉を、両親に伝えるための日が設けられています。毎年5月の第2日曜日は「母の日」、そして6月の第
3日曜日は「父の日」とされています。
韓国では、両親に感謝の気持ちを伝える日として、毎年5月8日には「어버이 날(オボイナル/父母の日)」という祝日
が設けられています。祝日の名前を見ても分かると思いますが、日本の「母の日」や「父の日」のように分かれていない
ことが特徴です。
元々は母の日だった? 「父母の日」の由来
実は1956年から1972年まで、韓国にも「母の日(オモニナル)」がありました。ところが1973年に「父の日もあってしかる
べきだ!」という声が高まり「父母の日」に改称・それ以降この日は親を敬う日として、贈り物と共に感謝の気持ちを伝え
るようになりました。母の日には模範的な母を選ぶ大会が開かれたり、献身する母たちを慰労する行事が開かれたりした
そうです。
母の日記念式 母の日に賞をもらう母
「父母の日」の韓国家庭の風景
この日には、各家庭で子どもたちが親と祖父母にカーネーションをつけて感謝の気持ちでプレゼントをします。両親の日の
カーネーションをつける風習は、アメリカに由来するそうです。 カーネーションは色によって花言葉が違いますが、最も代表
的な赤いカーネーションは両親への愛を意味するそうです。 ピンク色のカーネーションは感謝と美しさ、オレンジ色は純粋
な愛を意味するそうなので、どんな色を選んでも父母の日の意味がよく似合うと言えます。
父母の日になると、各小学校ではカーネーションづくりが行われます。 色紙でカーネーションをきれいに折りたたんで手作り
のカーネーションを両親の胸につけてあげます。
色紙で作ったカーネーション ドラマのワンシーン お年寄りにカーネーションをプレゼント
また韓国では5月が始まるとすぐにカーネーションを売る姿をよく見かけます。 勉強と業務に忙しい学生と会社員も、両親
の日だけは約束を取らずにカーネーションを買って両親の家を訪れます。 それで両親の日になると、カーネーションを持って
通り過ぎる人をたくさん見かけます。また、胸がカーネーションを つけてきたお年寄りたちもたくさん見られます。カーネーション
の価格は母の日の前日一番高く、母の日の終わりごろからどんどん価格が下がり始めるそうです。
各家庭で行われるこのような風習のほかにも、各団体や機関で行われる行事も多くあります。 世界的に高齢化社会に
入った昨今、高齢人口に対する関心がますます大きくなっています。各地方自治会でもシニアに対する尊敬と感謝の意
を伝える行事が父母の日によく行われます。
町のあちこちの商店でカーネーションを販売する
韓国人は両親にどんなプレゼントをしますか。
さて、定番の花以外では何を贈るのでしょう?韓国では日本より高めの予算設定で、「お小遣い(現金・商品券)」、
「ギフト」などを贈るケースが多いようです。
一方で「外食」や「公演チケット」、「旅行」など、形として手元に残る物よりは思い出に残るプレゼントを選択する人も。
このように両親や祖父母と一緒に旅立つことを韓国では親孝行観光と呼びます。面白い話で両親たちは現金を一番
好きだと言います。
カーネーション カーネーションをお金と一緒に包装 実用的な商品券
今回の記事では、韓国の祝日の一つである「어버이날(父母の日)」について紹介しました。日本と名前と日付は異な
るものの、両親に対して感謝の気持ちを伝えることに変わりはありません。
どのようなプレゼントを送るよりも、大事なことは「気持ち」を伝えること!普段は伝えることが難しい感謝の言葉を伝えてみ
てはどうでしょうか。