
平昌五輪の成功を願うセレモニーを行う文在寅(ムン・ジェイン)大統領(中央)(聯合ニュース)
韓国青瓦台(大統領府)の関係者は 23日、来年2~3月の平昌冬季五輪・
パラリンピックの期間中、定例の韓米合同軍事演習を中断する方向で 検討し
ていることを明らかにしました。
韓米軍は 毎年春に 朝鮮半島有事に備えた 合同軍事演習「キー・リゾルブ」と
合同野外機動訓練「フォールイーグル」を実施しています。
政府の こうした姿勢は、国連総会が 先ごろ採択した、平昌五輪・パラリンピッ
ク期間中の敵対行為の自制を加盟国に求める決議を順守するためとみられます。停戦決議は開催国の韓国主導で草案が作成され、議場の総意として無投票で採
択されました。北朝鮮を含む全ての国連加盟国が平昌五輪を平和的に開催する
ことで一致しただけに、韓国も五輪中の韓米軍事演習を中断し、「平和の五輪」
実現への意志を示すべきというのが 政府の考えのようです。
米国側も これに同意すれば、キー・リゾルブとフォールイーグルの期間が調整さ
れる可能性もあります。
五輪期間中の軍事演習中断は、北朝鮮が米国から「テロ支援国家」に再指定され
たことに反発し、2カ月以上控えていた軍事的挑発を再び強行する恐れが大きい
現状で、朝鮮半島情勢の緊迫化を防ぐ切り札になるともみられています。
また、韓米がこうした融和的姿勢を示し、軍事的緊張を和らげることは、北朝鮮
の平昌五輪参加を促す効果もありそうです。
結局のところ、軍事演習の中断の有無は北朝鮮が軍事的挑発をこのまま自制し続
けるかどうか、そして韓国政府が 米国をどれだけ説得できるかにかかっていると
みられているようです。
平昌冬季五輪は 2018年2月9~25日、平昌冬季 パラリンピックは 3月9~
18日に北東部の江原道・平昌などで 開催される予定です。