一つの願いを叶えてくれる,海の岩場に建てられた珍しいお寺, 海東龍宮寺

釜山(プサン)市の東部にある「海東龍宮寺(ヘドンヨングンサ)」は波が足下に迫る勢いで打ち寄せる岩場に建てられた、珍しい海のお寺として韓国で知られています。「カイトウリュウグウジ」と漢字で書いて、韓国語の読み方は「ヘドンヨングンサ」と呼びます。海雲台(ヘウンデ)から東へタクシーで20～30分ほどの松亭(ソンジョン)というエリアにあり、景色の良さから多くの観光客が訪れるほか、観音信仰の聖地として篤い信仰の対象にもなっています。

108階段を下りてくると、繰り広げられる海東龍宮寺の姿

龍宮寺は1376年、高麗時代に創建されたと伝えられています。高麗王の師であった懶翁(ナオン)大師の夢に龍王が現れ「蓬莱山(ポンネサン)の端に寺を建てると雨風がよく収まり、国が安定し、民も安らぐ」と伝えたそうで、大師がこの地を見ると実際に朝、仏様を拝めば夕方に福が来る所であることがわかり、寺を建て「普門寺(ポムンサ)」と名付けたとのこと。

しかし、豊臣秀吉が朝鮮半島に攻め込んだ「文禄・慶長の役」で寺は消失。それから約300年後、1930年代のはじめに「通度寺(トンドサ)」の雲崗(ウンガン)和尚が寺を再建し、現在に至ります。 

岩場にそびえる海東龍宮寺の荘厳な姿

海東龍宮寺は岩の上に立てられた美しい姿だけでも観光客から愛されています。 龍宮寺から眺める海もまた絶景です。 龍宮寺には様々な見所がありますので、宗教に関係なく誰でも楽しめる良い観光スポットです。  

海東龍宮寺から眺めた海 

お寺の見所  

海水觀音大佛 

海水觀音大佛

海水觀音大佛は海にいらっしゃる非常に大きな観音菩薩様という意味です。 仏教には観世音菩薩は海辺の孤独な場所に常駐するといいます。また、観世音菩薩の名号を熱心に呼べば、どんなに難しいことでもできないことはないそうです。 昔からここには冬にも雪が積もらず花が咲いたそうです。 仏像を安置してから3日になった日己時に(11時)、五色の光明を海から集めたところ、見た人で目を疑って言葉を続けることができませんでした。 このことからうわさが広まり、毎日参拝客が続いています。 単一石材としては韓国最大の石像です。

十二支神像 十二支は東洋哲学の根本であり宇宙の真理です。 また自分自身を一番近くで守ってくれる守護神でもあります。 現在の十二支石像は中国から送られました。 昔から寺では大仏事をする時, 雑鬼の侵を防いでくれ, 人間の五福を祈る意味で十二支絵を描きました。

十二支神像

百八長壽階段

百八長壽階段   108階段は108拝をしたことに起因され、108拝は108の煩悩を懺悔と精進で、修行する方法です。 108階段を上り下りするたびに煩悩が消滅されるという深い意味があります。 韓国でたった一つしかないここを、いわゆる長寿階段とも言うが、真心を込めて一度来れば百八歳まで生きることから長寿階段とも言う。

その他の見所 

16羅漢石像                                                               龍門石橋  

光明殿臥佛                                                                紅龍橋

主要行事            

元日の日の出 

龍宮寺は荘厳な日の出としても非常に有名です。 毎年1月1日になると新年元日の日の出を見るために多くの人たちが龍宮寺に集まります。水平線から余命が徐々に明るくなり、赤い太陽が昇るのを見ると、感激と歓喜が胸に湧き上がります。

 
龍宮寺の荘厳な日の出                                                 日の出を見に来た人たち

釈迦誕生日の夜景

毎年春になると釈迦生誕日を記念して、様々な色の美しい提灯が龍宮寺を照らします。 提灯で飾られた龍宮寺は、もう一つの見どころです。

 
釈迦誕生日の時に色とりどりの提灯で彩られた海東龍宮寺